尿道炎とは、細菌の感染などにより尿道に炎症を起こした状態です。
性行為による感染が主な原因ですが、不潔なもの(便器、汚れた手、不潔な下着など)からの感染もあります。
感染した細菌の種類によって、淋菌性尿道炎(いわゆる淋病)、クラミジア尿道炎などに分類されます。
淋菌性尿道炎の場合、感染してから症状がでるまで1週間以内と早めのことが多く、また症状もクラミジア尿道炎に比べて、強いことが特徴です。
・排尿時の痛み
・尿道よりの排膿
・尿道の違和感、そう痒感
・残尿感
適切な抗生物質、抗菌剤により治療します。症状が消えても細菌が残っていることがありますので、自己判断せず、きちんとした治療を受けて下さい。パートナーも同時に治療することが、原則です。
性器ヘルペスは、主に単純ヘルペスウイルスによる水ぶくれが、性器やお尻、またその周辺にできる病気です。
性的な接触によってウイルスが感染する性感染症の一つです。単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus :HSV)には、1型(HSV-1)と2型(HSV-2)とがあり、性器ヘルペス感染症は、主として2型によって起こされます。
感染してから2~10日くらいで比較的急激に口の中、唇、ペニス(包皮、亀頭など)、アナルの周囲に不快感やかゆみを感じ、軽い刺激感をともなって赤くなります。小さな水ぶくれが1,2個あるいは群がって現れ、やがてかさぶたができて治っていきます。
症状が出ているときに活動しているウイルスは、抗ウイルス剤によって抑えます。
その他、症状に応じて鎮痛薬、抗生物質などで処置します。初めての感染では4週間、再感染の場合は1週間から10日間で自然に治ります。
治療をきちんとすればさらに早く症状がおさまります。男性の50~80%が3ヶ月以内に再発すると言われています。しかし、再発の場合は初めて感染したときより症状が軽く、水ぶくれが1,2個か数個できる程度で、1週間以内に治ることが多いようです。
尖圭コンジローマが起こる原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスの感染です。
HPVにはさまざまな種類があり、尖圭コンジローマを引き起こすタイプのウイルスは主に、セックスやそれに類似する行為により皮膚や粘膜にある小さな傷に侵入して感染します。
原因であるウイルスが感染してもすぐにイボがあらわれるわけではありません。
ウイルスが感染してからイボが確認できるようになるまで、3週間~8ヶ月(平均2,8ヶ月)くらいかかるといわれています。
男性では、陰茎、亀頭部、冠状溝、包皮、陰嚢に乳頭状、鶏冠状のイボができます。色は淡い紅色や褐色で多発することが多いです。
女性の場合も同様で大小陰唇、膣前庭、膣、周囲に腫瘍ができます。また、男女ともに肛門の周囲や尿道口にもイボができることがあります。大部分のケースはイボを認めるだけで痛みなどの症状はありません。
薬による治療法:最近では治療の第一選択となっています。
尖圭コンジローマ治療薬として世界の75以上の国と地域で使われている塗り薬が、2007年12月、日本でも健康保険が適応される薬として発売されました。自分でイボに直接塗って治療することができます。
塗布後の主な副作用として、塗った部分の紅斑(赤み)、びらん(ただれ)、表皮剥離(表皮のはがれ)、浮腫(腫れ)、疼痛(痛み)、湿疹などが報告されています。
尖圭コンジローマは治療時に見えているイボを取り除いたとしても、ウイルスが残っている可能性があるため、再発を繰り返し、治療が長引く場合があります。もし再発しても根気よく病院に通い、治療を続けることが大切です。
外科的な治療法:薬による治療が効かない場合に必要となります。いずれも外来で行われる小手術です。
外科的切除、電気焼灼、凍結療法、炭酸ガスレーザー蒸散などがあります。