前立腺がんは、前立腺にできるがんで、男性ホルモンの関与が大きく、加齢によるホルモンバランスの変化が影響していると考えられています。アメリカでは男性のがんで最も多く、日本でも食生活の欧米化や高齢化による患者が増えています。
早期に発見できれば、治りやすいがんと言えますが、早期には特有の自覚症状が無く、発見が遅れることがあるので注意が必要です。
前立腺がんの治療を効果的に行うために早期にがんを発見することが最も重要で、そのためには血液中のPSA(前立腺特異抗原)などの定期検診を受けることをおすすめします。
前立腺がんの症状
早期の前立腺がんには症状はありませんが、がんが進行すると以下の症状があります。
・尿が出にくい
・排尿時の痛み
・血尿 など
さらに進行すると、がんが他の部位や臓器に転移します。
前立腺がんの診断
- 1.PSA検査
(前立腺特異抗原) - 前立腺に特異的な腫瘍マーカーで検診の必須項目(正常は4ng/ml以下)
前立腺肥大症、前立腺炎、尿閉などの場合でも高値を示すことがあります。 - 2.超音波検査
- 経腹的あるいは経直腸的に超音波によって前立腺の状態を観察します。
- 3.直腸診
- 肛門から指を挿入して前立腺の状態を確認します。
- 4.生検
- 1~3の検査でがんが疑わしい場合に行います。
腰椎麻酔をかけて経直腸的超音波ガイド下に前立腺に針を注入し、前立腺の組織検体を採取し、がん細胞があるか調べます。通常1日入院が必要です。 - 5.がんの診断が
ついた場合 - がんの広がりを調べるため、CT、MRI、骨シンチ、静脈性腎盂造影などを行います。